小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群

新潟で開催の日本耳鼻咽喉科学会に行き、「小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の取扱い」という臨床セミナーに出席してきました。
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、(扁桃腺・アデノイドなどが呼吸の通り道を狭くするため)安静時とは違う努力性の呼吸が持続的にあり、1時間あたりの無呼吸が1回以上観察され、加えていびき、陥没呼吸、体動覚醒、日中傾眠、成長遅延、夜尿症などの臨床症状を伴なうものをいいます。小児でいう無呼吸とは、2回分呼吸が途絶えた状態をいいます。
小児睡眠時無呼吸症候群では、成長への影響、血圧への影響、不注意、多動、成績不振、夜尿、下顎の発育の遅れなどとの関連が問題視されています。
その治療ですが、まず第一に正常な鼻呼吸を取り戻す事が必要となります。軽症例では耳鼻咽喉科での鼻処置、ネブライザー、内服薬、点鼻薬による治療が行われます。改善のないケースや重症例では扁桃腺・アデノイド手術などが必要となるケースもあります。
時々、睡眠時無呼吸の子供では体の発育がやや遅れているケースがみられますが、その多くは手術をきっかけにして回復していく事が知られています。正常な睡眠および鼻呼吸の回復が成長ホルモンの分泌をも回復する結果と考えられています。
演者の先生は最後に、『正常な睡眠は子供の心と体の発育にとって非常に重要である』とまとめていました。