学校だより③

校医を担当している小学校の学校だよりに原稿を書く機会がありました。
以下に記します。

Q : 口呼吸の原因は何ですか?

A : 耳鼻咽喉科領域で口呼吸を生じる代表的な病気について書きます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎では鼻汁が多く、鼻粘膜が腫脹することで鼻閉を生じ、その結果として口呼吸となります。鼻ポリープがあるとさらに症状は強くなることがあります。扁桃腺肥大やアデノイド肥大でも口呼吸を生じることがあります。アデノイドは子供の時期に上咽頭(鼻のつきあたり)に発達する扁桃組織をいいますが、その大きさには個人差があり、大きいと鼻とのどのつなぎめを完全にふさいでしまうことがあります。

Q : 耳鼻科の先生から見て、口呼吸の悪影響はどんなことですか?

A : 鼻呼吸は、吸気中のウイルスや細菌、ほこりなどを取り除き、その温度、湿度を調整して、空気を気管支、肺へ送りこむ大事な役割をしています。口呼吸ではのどを痛めたり、風邪をひきやすくなるとされています。気管支系の病気との関連も指摘されています。

Q : 子どもの口呼吸に気づいたら、どうしたらよいですか?

A : 鼻が詰まることにより、息苦しくないか、いびきがないか、睡眠障害がないか、集中力の低下がないか?など注意深く観察してください。口をふさいでの呼吸ができない場合には医療機関を受診することをお勧めします。