火星が地球より小さい理由②の続き、木星のその後です。これには土星も関与していたそうです。
私のお気に入りのTV番組コズミックフロントNEXTでグランドタック説なる木星と土星の移動により太陽系形成を説明する仮説を解説していましたので紹介します。(タックとは航海用語で船が舵を切って方向を変える意味)
木星が火星軌道付近まで内側に移動した時、木星の外側には土星が誕生し、土星も木星と同様に太陽に近づいていったのだといいます。木星と土星は太陽周囲を公転しているうちに、しだいに太陽を2周する間に土星がちょうど1周するというタイミングで接近するようになり共鳴という状態に入ったのだといいます。共鳴した2つの巨大惑星が強く重力を及ぼしあった結果、木星・土星の内側への移動は止まり、今度は太陽から遠ざかる方向に移動するようになり現在の位置に落ち着いたのだそうです。
この木星・土星の大移動は火星だけでなく、地球の形成にも大きくかかわったようです。地球軌道付近を含めた太陽周囲に存在していた原始惑星や小さな天体は、近づいてきた木星の強力な重力で振りまわされ軌道をかき乱されたのだそうです。天体同志の衝突が頻発し、その多くは粉々になって太陽に飲み込まれてしまったというのです。木星が去ったあと、残ったわずかな小天体から水星・金星・地球・火星が生まれたのだそうです。もし木星・土星の大移動がなかったら、地球は今の形で今の場所に存在することはなく、生命で満ちた天体は生まれなかったのかもしれません。